「いいよ、どうぞ」


女子達が香里からクレープを分けてもらう。


俺もあとで一口もらおうと思ってたのに、と気を取られてるうちに自分のクレープが男2人によって大分減っていた。


「お前ら食べすぎ!しかもポテサラの部分だけ食ったろ」


「ありがと裕貴うまかった!」


「ありがと、じゃねぇよアホ」


「またあとで何か分けてやるって!」


「俺達、屋台制覇する予定だかんな」


「調子乗って食い過ぎると痛い目みるぞ」


「だーいじょうぶ!」


先に進んでいくアホ達には、きっと俺の忠告は耳に入っていない。


「菊地と浅川、あいつらのこと見ててやって」


香里と喋っていた2人に一応頼んでおく。このあと皆で集まって肝試しやら何やらするって、忘れてそうだし。


「あははっ、一条ってお兄ちゃんっぽいよねぇ」


「めっちゃ分かる!意外と面倒見いいじゃん」


「お兄ちゃん言うな。とにかく頼んだからな」


「はーい了解でっす」