「そこは2人でどうにかしようよ!そうすれば何とかなった……はず」
何とか、ってどうするわけ。
おかしくて思わず吹き出すと、香里もつられてくしゃっと顔を崩した。
その屈託のない笑顔が、自分のものになればいいのに。
「お待たせしました!ポテサラとチョコバナナキャラメルがけです!」
思ったよりもボリュームのあるクレープを受け取り、早速口をつける。
「ん~、生クリームにチョコ、キャラメルの3コンボ……最高!幸せ」
唐揚げで胃袋のエンジンがかかったのか、全くペースが衰えることなくクレープを食べていく。
こっちはそれを見てるだけで腹いっぱいになってくるけど、香里が嬉しそうでなによりだ。
だんだん近づいてくる囃子の音と活気に満ちている声をBGM代わりにして2人で食べていると。
「ぁあー!裕貴うまそうなもん食ってる!」
「裕貴と香里だ~」
俺らの後ろにいたクラスの奴数人が駆け寄ってきた。
「裕貴のクレープ、何味?」
「俺のはポテサラ」
「めっちゃいいじゃんそれ!一口ちょうだい」
「香里のも美味しそう~。私ちょっと食べたいかも」
「私も私も!」