―なんて、いつもどおりに話してたらいつの間にか高校についてんや。
「千佳、春ちゃんと写真撮ったるわ。」
お母ちゃんにそう言われたから、春ちゃんと正門の前に立った。春ちゃんは、にこにこ笑いながらお母ちゃんのカメラに向かって、ピースをした。
「ほら、チーも早くこっち寄って。これから新しく始まる学校生活の記念すべき1日目の、写真やで!」
「うん!そやね。1日目やから、ピースじゃなくて‥1番の1でやろや。」
そう言い、人差し指を立てて思いっきり笑った。春ちゃんも、にっこり笑って人差し指を立てた。
「はい、チーズ!」 カシャッ。
幸せな思いと同時に1枚の写真に残った。それは入学の大きな不安までも、かき消してしまった。
「1年生はこっちこっち。保護者の皆様は、体育館のほうでお待ちください。」
と、入学式だというのにスーツではなく、ジャージを着た若い女の先生が指示をしている。
「あら、1年生?」