それはある日の事だった。
珍しくフランスが真剣にイギリスに相談事を持ちかけてきたのだ。
それはこのようなものだった。
「お兄さん、最近イけないんだけど…」
ふざけるな、と殴りかかってしまいたかったが、まあ一応話だけは聞いてやろうかとイギリスは問いかけた。
「…イけない、ってそっちの事だよな?」
「うん」
「それで?お前はどうしたいんだ?」
イギリスがそう言うと、フランスは一旦考えるような表情をしてから意を決したように重かった口を開く。
「…お前にしか、頼めないことなんだ」
いつになく真剣なその態度に、不意にどきりとさせられる。
が、次の台詞を聞いた瞬間、その事を後悔した。
「…オナニーの仕方、教えてくれない…?」
しばらくぽかんとしていたイギリスの声が響き渡る。
「はぁあぁあぁあ!?」
ああ、本当にこいつは_こういう所が、大嫌いだ。