自宅に帰った後、さくらちゃんのテディベアを持って帰るのを忘れたことに気が付いた。


「あ、教室に置きっぱなしだ……。」

まあ明日でもいいかと、軽い気持ちでいた。
でも翌日、教室を見てみると、さくらちゃんのテディベアは無かった。


「無い!どうして?」


ここに置いてあったはず……。


「あっ、せんせッ!さくらのくまさん直った?」


「さくらちゃん、あの…。」


どうしよう……。
無くしたって言ったらきっと……。
でも嘘つくのもダメだよね。


「……ごめん、さくらちゃん。くまさん無くなっちゃって、探してるけど見つからないの……。」

「……くまさんなくなっちゃったの?」


言葉を理解したと同時に、さくらちゃんの顔が歪んでいく。


「ごめん!さくらちゃ…」

「ウソつき!…先生なんて…うぅっ…大っキライ!!」


―ズキッ


さくらちゃんの目から涙が流れる。
子供の涙を見るのが一番辛い……。


「待って!さくらちゃんッ!!」


私、最低なことしちゃった……。
自分の失態で泣かせてしまった上に嫌われた……。

私…、先生失格だ……。