出たというのは、
私と同じこの保育園で働いている、同僚の坂野潤也。
私はコイツを快く思わない!


「子供たちになんてこと言ってんのよ!大体アンタが何でここにいるのよ!」

「冗談も通じねーのかよ。それより俺、ここの組の担任なんだよ。」

「それくらいわかってるわよ。なんでアンタと一緒なのかって言ってんの!」

「んなの知るか。そんなに嫌ならテメーが外れろ!」

「いやよ!」


また、やっちゃった……。

私達は、こうやって顔を合わすたびに言い争いばかり。

別にしたくてしてるわけじゃない。なんというか、へんに闘争心が湧くというか……。


「またはじまったよぉ?」

「ふーふげんかだぁ。ボクのパパとママみたい。」

「先生たち、ほんとにラブラブなのかなぁ?」

「わっかんなぁ〜い。」


そんな子供たちの声が、勿論私達の耳に届いてる訳がない。


―ガラガラ


「また喧嘩してるのですか。外まで丸聞こえです。いつも、子供たちの前では仲良くしろと言ってるでしょう?悪影響です。」


穏やかな口調ながらも何とも言いがたい恐ろしいオーラを二人に向けるこの女性は……。