大学の正門で待つこと三日間、優宇はやっと直人(なおと)が一人で歩くところをつかまえた。
「しつっこいなぁ」
他の人に見つからないためなのか、少し植え込みに入って待つ優宇の姿を見て、直人は言う。
「何やってんすか、アンタは」
「話、したくて」
優宇はうつむいて、ぽつりと言葉をこぼした。
そんな優宇を見て、直人は大きくため息をついた。
「わかりましたよ」
「本当!?」
一気に優宇の頬が喜びで朱に染まる。
「期待しないでくださいね。一つ言っときますけど、俺彼女いるんで。」
「んーんー、いいの。話してくれるだけで嬉しい」
「話しできるところ行きましょ。」
「ありがとう」
嬉しさに頬を染めながらこたえた。
そして、優宇は話をする場所として、喫茶「Garden」へと直人を連れて行った。
喫茶「Garden」では園原が穏やかに2人を迎えてくれた。
「いやー、君が直人(なおと)君かい。はじめまして。この喫茶店のマスター、そして、優宇のいとこの園原賢次(そのはらけんじ)だよ。よろしくね。」
緊張していたらしい、直人はいくぶんほっとしたようだった。
さらに、園原が続ける。
「優宇が何か失礼なこと言っていると思うけど、代わりに叱っておくから。そういうことが続くなら気軽に言いなさい」
「はい、ありがとうございます」
「今、ちょうどお客がはけたところだから、貸し切りにしてくるよ。
2人ともカウンター席に並んで座っていて」
「飲み物は何がいいかい?今日は大事な話をするからおごってあげるよ」
「優宇は……」
「オレンジ!!」
「はい、いつものだね」
「直人君は?」
「一緒で」
「一緒でいいんかい?ソフトドリンクは他にもそろえているよ?」
園原は穏やかに言った。
「結構です。ジュース飲みに来たわけではないから、俺」
「わかったよ」
ドリンクを出し終わったタイミングで、園原が話し出した。
―それは先月末のこと、優宇が「前世がわかる」というお店に友人と行ってきたんだ。
そのお店で自分が「姫」であること、
君が戦士であることを思い出したというわけ。
それが戦乱の時代で、2人は一緒にならえなかったというわけさ。
だから、生まれ変わったら必ずちぎろという強い約束をして各々の生涯を閉じました。
「で、その直人(なおひと)?が何で俺だってわかるんだよ」
「わかるわ」
と、優宇。
「優宇、もう少し僕に話をさせてもらっていいかな。」
2人は園原に注目した。
「僕は前世を記憶して生まれている。だから前世でつながりのあった人は、わかるんだ」
直人は不本意そうだった。
「そーゆーのって、だから、俺が何なんですか。俺は彼女がいるし、
本当かどうかわからない前世に人生を振り回されて生きたくない」
「そうだね。とても真っ当な意見だと思うよ。今回のことは、優宇が先走り過ぎていると思ったから、落ち着いて話をきいてほしかったのが、僕の目的だよ」
「だって、私」
「静かに。優宇、お店に集まる前世の記憶を持つ人達は、皆折り合いをつけて生きているんだよ。もちろん、知らず知らず魂の結びつきが強い者同士のカップルもいるけどね」
口を尖らせながらも、優宇はうなづいて直人に向き直った。
「ごめんなさい」
「そりゃ、もう構わないでくれるならいいよ」
「マスター、今度彼女連れてきてもいいっすか。彼女も振り回された一人として話を聞いてほしい」
「もちろん歓迎だよ」
このことが、優宇、直人(なおと)の運命を変えることになるとは誰も予期していなかった。
「しつっこいなぁ」
他の人に見つからないためなのか、少し植え込みに入って待つ優宇の姿を見て、直人は言う。
「何やってんすか、アンタは」
「話、したくて」
優宇はうつむいて、ぽつりと言葉をこぼした。
そんな優宇を見て、直人は大きくため息をついた。
「わかりましたよ」
「本当!?」
一気に優宇の頬が喜びで朱に染まる。
「期待しないでくださいね。一つ言っときますけど、俺彼女いるんで。」
「んーんー、いいの。話してくれるだけで嬉しい」
「話しできるところ行きましょ。」
「ありがとう」
嬉しさに頬を染めながらこたえた。
そして、優宇は話をする場所として、喫茶「Garden」へと直人を連れて行った。
喫茶「Garden」では園原が穏やかに2人を迎えてくれた。
「いやー、君が直人(なおと)君かい。はじめまして。この喫茶店のマスター、そして、優宇のいとこの園原賢次(そのはらけんじ)だよ。よろしくね。」
緊張していたらしい、直人はいくぶんほっとしたようだった。
さらに、園原が続ける。
「優宇が何か失礼なこと言っていると思うけど、代わりに叱っておくから。そういうことが続くなら気軽に言いなさい」
「はい、ありがとうございます」
「今、ちょうどお客がはけたところだから、貸し切りにしてくるよ。
2人ともカウンター席に並んで座っていて」
「飲み物は何がいいかい?今日は大事な話をするからおごってあげるよ」
「優宇は……」
「オレンジ!!」
「はい、いつものだね」
「直人君は?」
「一緒で」
「一緒でいいんかい?ソフトドリンクは他にもそろえているよ?」
園原は穏やかに言った。
「結構です。ジュース飲みに来たわけではないから、俺」
「わかったよ」
ドリンクを出し終わったタイミングで、園原が話し出した。
―それは先月末のこと、優宇が「前世がわかる」というお店に友人と行ってきたんだ。
そのお店で自分が「姫」であること、
君が戦士であることを思い出したというわけ。
それが戦乱の時代で、2人は一緒にならえなかったというわけさ。
だから、生まれ変わったら必ずちぎろという強い約束をして各々の生涯を閉じました。
「で、その直人(なおひと)?が何で俺だってわかるんだよ」
「わかるわ」
と、優宇。
「優宇、もう少し僕に話をさせてもらっていいかな。」
2人は園原に注目した。
「僕は前世を記憶して生まれている。だから前世でつながりのあった人は、わかるんだ」
直人は不本意そうだった。
「そーゆーのって、だから、俺が何なんですか。俺は彼女がいるし、
本当かどうかわからない前世に人生を振り回されて生きたくない」
「そうだね。とても真っ当な意見だと思うよ。今回のことは、優宇が先走り過ぎていると思ったから、落ち着いて話をきいてほしかったのが、僕の目的だよ」
「だって、私」
「静かに。優宇、お店に集まる前世の記憶を持つ人達は、皆折り合いをつけて生きているんだよ。もちろん、知らず知らず魂の結びつきが強い者同士のカップルもいるけどね」
口を尖らせながらも、優宇はうなづいて直人に向き直った。
「ごめんなさい」
「そりゃ、もう構わないでくれるならいいよ」
「マスター、今度彼女連れてきてもいいっすか。彼女も振り回された一人として話を聞いてほしい」
「もちろん歓迎だよ」
このことが、優宇、直人(なおと)の運命を変えることになるとは誰も予期していなかった。