しばらく放心していると、玄関のチャイムがひっきりなしに鳴っていることに気付く。
重い腰を上げてモニターで確認すると、暴力団だと思う人が沢山いた。

ハッとなって、出れるわけがないと、壁に腰をつけてズルズルと座り込んだ。

どれぐらい耳を塞いだだろう、ずっと塞いでいた耳を解放すると、もうチャイムは鳴っていなくて安心した。

もう外は暗くて、お腹もこんな時なのに、空いてて。
でも何も食べる気が無かったから、床に落ちてるガラスを端っこに寄せると空いた狭い空間で体をまるめて寝ることにした。

こんな時なのに寝れる私の体。呑気だなって思うと苦笑いが出る。

そして次の日も次の日も、暴力団の人達は借金を取り立てにやってきた。
しかもそれは、段々とエスカレートしていって。
ある日は、割れている窓からナイフが飛んできた事もあった。