引っ張られた私は龍輝の膝の間に着席。
するといつの間にか復活していた虎が前のソファに座って口を開く。虎の目はいつものおちゃらけた目じゃなくて真剣だった。
「若、報告いたします。佐野組が動きを見せたと関西から情報が。」
そう言った虎に私は佐野組というフレーズに反応して肩を震わす。
すると、後ろから甘酸っぱい香りと煙草のスパイシーな香りに包まれた。
「大丈夫だ美緒。
で?美緒の事はちゃんと隠してあるんだろ?しかも、佐野組が東山組の島で手ぇ出したらまず立野が黙ってねぇだろ。その時点で関西が動く。」
そう言った龍輝は私の髪の毛で遊び出す。
「わかりました。本家に報告しておきます。」そう言う虎に軽く頷く龍輝は口を開いた。
「腹減った。」時計を見るともうすぐ11時で。朝ごはんを食べていない私達はお腹が空いていた。
「出ますか?」まだ仕事モードの虎が龍輝に聞くと「いや、繁華街にはしばらく行かねぇ。」そう言って私の頭を撫でた。
「わかりました。では冷蔵庫に入ってるモノは自由に使ってください。あと、今日のご予定は?」
私に視線を向けた虎は冷蔵庫事情の自由を私に任せたようで。すぐに龍輝に視線を戻す。