「落ち着いて!お姉ちゃん!ねぇ、落ち着いて!!」
私は過呼吸を起こしているお姉ちゃんを必死になって落ち着かせた。

「…………っハァッ……ハァッ…」
お姉ちゃんの背中を撫でていると、落ち着いたお姉ちゃんが話始めた。

「…………っっ、お父さんがっ、出勤したと思ったら、すぐに帰ってきて、っっ、お母さんになんか話してて、聞いたら、っ、お父さんの会社の社員がずっと前に行った出張でっ、不正をしていたらしくて、すごい賠償金があったらしいんだけど、お父さんに報告してなくて、っハァッ、それが最近気付いたみたいで。でもその不正をされた会社の後ろには、『佐野組』がついてて、中々返さないお父さんの会社を今日潰したらしくって、っっ、しかも佐野組の下にいる暴力団が、家に来て、お父さんをその場で殺して、お母さんは連れてかれたっっ。私はなんとか連れてかれずにすんだけどっ、はぁっ」

「わかった。もう話さなくていいよっっ」
「ごめんねっっ。お父さんとお母さんを守れなくて、家にいなくてっ」