こんな温もりを感じれるのはいつぶりだろう。と思うと涙が頬を伝った。
涙が流れるのもいつぶりだろう、ほとんど私は人前で泣いたことがなかった。

彼がいる前で泣いてしまったことに慌てて頬を擦ろうとすると、彼の細長い綺麗な指が私の涙を掬った。

「泣きたいなら、泣け。笑いたいなら、笑えばいい。歩きたいなら、歩けばいい。死にたいなら、死ねばいい。でも、それはこれから一生俺とするんだ。俺の隣で泣いて、笑って、歩いて、死んでくれ。それに俺は続く。」

「お前が好きだ。」
と続けた彼に涙が溢れてきて、暫く彼の胸の中で泣いていた。

泣き止んだ頃、
「あなたが私に惹かれた理由を教えて?」と聞くと、
「あなたじゃねぇ。名前がある。」
「じゃ、じゃあ龍輝さんが……「さんはいらねぇ。」っ」
「じゃあ!龍輝がっ!私に惹かれた理由はっ!?」
と何度も訂正しながら聞くと、龍輝は楽しそうに笑って言った。
「結婚する時に教えてやる。」

そこでもう一度。
「はっ!?」
「結婚っっ!?」
「なんだよ。不服か?」
「いやっ、違うけど!いきなり過ぎない?」
「一生守ると誓うんだから結婚だろ。」
しかも、遅かれ早かれ俺らは結婚するんだ。と付け加えた。