「すまない、お前の事はこっちで全て調べさせてもらった。お前の父と母は、佐野組にもうやられてる。姉の方は、九州から出て、どっかで水商売やってるみたいだ。」
母が殺されたということと、姉が生きている。そう聞いて、すごく複雑な気分になる。
途端、こんな疑問が浮かんだ。
「なんで、あなたは私にこんなことをしているの?情をかけてるつもりなの?ここはどこ?あなたはまだ私の事を殺さないの?」
そう質問を次々とぶつけた。
すると、フッと笑みを漏らした彼に私は眉に皺を寄せた。
「お前にこんな傷を追わせたのは、佐野組。九州で一番でかい組だ。それに、俺たちの敵。佐野組はクスリに手ぇ出してる奴もいるし、一般人への暴行もいとわない。仁義ってもんがねぇんだ。」
それに、と龍輝は付け足すと
「お前のことを、佐野組が探している。今はうちの組のモンがお前の事を全て隠してる。だが、ずっとこうしてる訳にも行かねぇ。」
と言われ、私はついに殺されるのか、やっとかと思うと自嘲の笑がこぼれた。

するとまだ彼は言葉を続けた。
「しかし、永遠にお前の事を隠せる方法がある、どうする?」
と、ニヤリと笑いながら聞いてきた。
もう死にたいと思うのは嫌だった。だから、
「教えて」
と、私の口からは次いだ。
その答えを聞いた彼はまた満足そうに笑った。