side 美緒
目を開けると、真っ白な天井が見えた。視線を横に滑らすと、腕には点滴が繋がってて、ここは病院だという事がすぐに理解出来た。
誰かに気付いてもらいたくて、点滴を揺らすと支えていたものが倒れてガシャンと凄い音を立てた。
すると、音に気付いた看護師が入って、「気が付かれたんですね、いま龍輝様をお呼びしますね。」と言い、出て行ってしまった。
龍輝って誰だろうと考えていると、さっきあった事を思い出した。
そうすると、身体が自然に震えだして変な汗も出てきて。
そんな自分の身体を抱きしめていると、ドアが開く気配がした。
でも、そんなの見てる余裕もなくって。
静かに寄ってきた気配は瞬間、私をすっぽり包み込んだ。
ビクッと身体が震えると、優しく頭を撫でてくれて。
そして、彼は口を開いた。
「俺は、東山 龍輝。東山組の6代目になる若頭だ。」そう言った。
そう聞いた私の頭は混乱し始める。

東山組は本州最大の暴力団。
することは、至極冷酷で冷徹。中でも恐れられているのが、今私を包み込んでいる『東山 龍輝』

そんな人がなんで私を……。