side 龍輝
美緒を迎えにいくのに繁華街を歩いていると、女がキャーキャーとうるさかった。ソイツらを組員達に任せながらしばらく歩くと、繁華街の外れにあるマン喫が目に入った。
俺の女はここにいるのかと、ニヤリと口角を上げているとマン喫から1人の女が出てきた。
女はこっちの騒ぎに気付いたみたいで、こっちを見ると沢山の人波の間から一瞬だけ目が合った。
すると、女は目に怯えを宿し、身体は震えを持っていた。でも、それは一瞬の事で。
クルッと俺に背を見せると走り出した。
後から来た組員達がその背中を追って行く。

それで確信した。あの女は、桐生 美緒。俺の女だと。

上がる口角は収まらず、そのまま組員達の後を追って行った。

そんな間も女達が騒いでたが、そんなのは耳に入らなかった。