あの時の事が鮮明に思い出せる。

私は我に帰って、もう1度その人を見た。やっぱり、あの悪夢で。
こんな所まで私を追ってきたのかとため息をつくと、私は逃げ出した。

「おいっ!あの女を追いかけろっ!」
と、背後から聞こえてきた声に体が震えたけど、そんなの構わずに逃げた。

「っっはぁっ、はぁっ、はぁ」
息を切らしながら、全速力で逃げる私だけど、圧倒的に後ろの人達の方が速くて、すぐに追いつかれた。

最後の力で追ったきた人達を睨むけど、その人達は私になにもしなかった。

しばらく睨み続けていると彼らの後ろから悪夢が顔を出した。

「いやぁっ!!こないでっ!私を殺すんでしょっ!?何であの時にころしてくれなかったのっっ!!?いやぁっっ!」

と必死に抵抗するけど、やっぱ女の力では男には勝てなくて。

「……すまない」
と呟いた男が何を言ってるのか分からずにいると、直後お腹に鈍い痛みが走った。この傷みは覚えてると思いながら、意識を手放した。