side美緒

毎日日払いバイトをして、マン喫に帰って寝る。そんな生活がもう一ヶ月以上続いた。
なんとなくこんな生活も悪くないかなとか思い始めた私はついに頭も可笑しくなったんだろうか。

今日も、起きて店のカウンターまで行って延長を申し込んで、お金を渡す。
その繰り返しをして外に繰り出す。
でも今日は少し違った。
外に出ると、キャアアアアアっっ!!と、悲鳴に近い声を上げる女の子たち。
思わず耳を塞いだ。
それでも収まらない女の子たちの声は、

「ねぇ!東山様が!」
「龍輝様!」
「ホテル行きませんか!?」

なんて声が聞こえて、私も気になって声をする方を見ると、人混みの隙間から、真っ黒な髪の毛の、切れ長な目の、筋の通った鼻の、凛とした輪郭の人と一瞬目が合った気がした。
でもそれは、どこかで見た事のある様な顔で。
考えていると、あの悪夢を思い出した。あの、私に1番効く殺し方を提案した人。