「おはよ」

「おはよー」
「…………あぁ、おはよ」

私が起きて1階に降りていくといつもの挨拶をする。
それが日常。
「朝ごはん何食べるー?」

「ご飯と目玉焼き〜」
この会話も日常。

私はここら辺じゃ有名な私立高校に通う高校2年生の 桐生 美緒

父は会社を経営してて、母は普通の専業主婦。
姉もいるけど、姉は本州の大学へ行ってる。今は冬休みで家に帰ってきてるけど。
「美緒、杏起こしてきて。」

「はーい。」
朝ごはんができたようで、まだ寝ているお姉ちゃんを起こしに行く。

2階に上がってお姉ちゃんの部屋の前までくると、お姉ちゃんがイビキをかいて寝てるのがわかる。
思わず苦笑いが出た。
部屋に入りお姉ちゃんの布団をひんめくると、お姉ちゃんが不機嫌そうに起き出した。

私のせいじゃないんだけどな〜って思いながら階段を降りていくと、お父さんが出勤の準備をしていた。

私も今日は部活があるから、急いで支度をし始める。

こんな日常が私の幸せ。
ずっと続くと当たり前に思ってる。


けどそれは間違いだと気付くのはもうすぐ。
そんなことも知らずに、父の出勤を見送った後、私も家を出た