「じゃあ、栞。また明日来るからね」


「うん。でも、無理しないでね?」


「やぁね、無理なんかしてないわよ!お母さんが来たいから来てるんだから!!」


「そう?じゃあ、またね」


「ええ。いい子にしてるのよ?」


「もー!お母さん!私子供じゃないんだから!もう17歳なんだよ」


「そうだったわね。栞ももう、17歳なのね」


「そうだよ!忘れてたの?!ひっどーい!」


「そんなわけないじゃない。ちゃんと覚えてるわよ」


「ホントにー?」


「ホントホント。じゃ、お母さん行くわね」



「うん。じゃあね〜」


そうしてお母さんは帰って行った。


これは余命宣告された次の日。


お母さんは頑なに私に隠そうとするけれど、顔を見ればわかるよ。


涙を流して、赤くした目を見れば。