「やっぱ、北村じゃん!なに?なんでこんなところいんの?」


そう。文化祭であったあたしの嫌いなやつ。


こいつの名前は"矢島 海里"


「矢島…!」


反射的に体が矢島を避けていた


「そんな、逃げんなよ、もしかしてお前も帰れなくなったの?」


「……お前もってことはもしかして矢島も?」


「そうなんだよ。それであそこの旅館に泊まろうかと思ってさ」


確かに帰る手段がないなら今日はここに泊まっていくしかないけど。


同じ旅館なんて絶対に嫌


「そうなんだ…私は別の旅館をさがすよ」


「でも旅館あそかしかないけど?」


その言葉を聞いた途端私は頭の中が真っ白になった。