「ゆう…ぐれ…く…ん…?」


私はもうすでに半泣き状態でいた。

うまく声を出すことができずに
ただ

ぼーっと泣くことしかできなかった。


「あの、うちのクラスメイトに何か用ですか?」


すごく怖い顔をしながら彼に話しかけていた


こんなに怖い顔をした夕暮くんを私初めて見た。


「あ〜。別に」

と言いながら夕暮くんに掴まれていた手を


パシッと離し

最後に一言私に

また来るから


と言い残しそのまま図書室を出て行った



突然安心感がおそってきて

その場にうまく立っていることさえできなくなり

へたりと座り込んでしまった


「美歌?大丈夫?」


心配そうに私の顔を覗き込んでる夕暮くん

でも今は何も考えられなかった


とにかく恐怖しかなかった。


あの頃の記憶が

ただただ頭の中に渦巻いていた。


でも何か言わなきゃ。

「だ、…大丈夫…ごめん、ありがとう…」


とだけ言って立ち上がろうとした


でも立てなかった


足がすくんで 力が入らなくて

うまく立つことができなくなっていた。