私はそこから動けないでいた
静かに夕暮くんに撫でられた頭の感覚が忘れられなくて
自然と止まっていた
心臓がばくばくと高鳴る音が自分でもわかった
夕暮くんの笑顔が
頭から離れなかった
すると後ろから
「美歌ー?どうしたのー?」
とゆう千穂の声が聞こえた
「もーう、どうしたの?」
私の顔を覗き込む千穂
「美歌?え、顔赤いけどどうした?!」
やっぱり、私顔赤いんだ。
そっと頬に触れると
確かにあの時と同じように
熱を感じた
「なにかあったの?」
そう言って心配そうに聞いてくる千穂に
私は
何も答えられなかった。