side 尊



『尊から離れない。』



昨日、遥香が俺に伝えてくれた言葉が苦しくなるくらいに嬉しかった。



遥香は可愛すぎるし、心配になるくらいの鈍感さや危なっかしい性格だから、変な奴が遥香の周りに来ないか心配になっていた。




でも、遥香のそんな言葉を聞いてそんな心配なんて必要ないんだってことを、改めて感じることができた。





俺以上に、遥香のことを分かってる奴なんていない。




それは、自信もって言える。




病院だったからよかったけど、家だったら完全に理性吹き飛ばされていたな。




遥香はまだ万全な体調ではないから、自分の気持ちにブレーキをかけることに必死だった。




本当に。




遥香の愛の言葉に弱い。




隣で規則正しい呼吸で眠る遥香を見ていた。





こんなに穏やかに眠る遥香は久々に見たな。




それだけ、昨日は遥香にとって心に残った出来事だったんだろうな。





遥香を起こさないようにベッドから離れようとすると、シャツの裾を掴まれた。





「尊…?」




「悪い。起こしちゃった?」





遥香は首を横に降ると、眠そうに目を擦っていた。




「ふふ。まだ眠そうだな。」




可愛すぎて、思わず遥香の頭を自分の胸へ抱き寄せていた。






それに答えるように、遥香は俺の背中に腕を回してくれた。





「尊、今日はお仕事だよね。」





「うん。でも、お昼の時間と終わったらすぐ遥香のところに向かうよ。



だから遥香。



今日は無理せず、ゆっくり休んでるんだよ?」





「うん。」





全ての身支度を終え、遥香の唇へキスを落とした。




「行ってきます。」




「うん。行ってらっしゃい。」





遥香はそう言って、笑顔で俺を送り出してくれた。




これからも俺は遥香と向き合っていく。





だから、一緒に幸せになろうな。