結婚式から戻ってから、私はまた病院へもどった。



早く退院したいな。



ゆっくり流れていく雲を眺めていた。




「遥香?」




近藤さんのウエディングドレス綺麗だったな。




幸せそうだった2人の姿が脳裏によぎった。




そんな2人の様子を思い出して、気づいたら私は口が緩んでいた。




「なんだか嬉しそうだな。」




「尊。いつからいたの?」




「ついさっきだよ。



ぼーっとしてるから何か思い悩んでるのかと思った。



でも、嬉しそうで安心したよ。」





尊は後ろから私を優しく抱きしめた。





「それで、何を思い出してたんだ?」




「近藤さんと朝陽先生の結婚式。



幸せそうな2人を見てたら、こっちまで嬉しくなったの。



心がすごく温かい。



尊といる時みたいだよ。」





後ろから抱きしめる尊の手を外し、私も前から尊を抱きしめた。





「やばいな。」





尊はそう言うと、私の唇に自分の唇を重ね何度もキスを交わしてきた。




それから、ベッドへと倒され降やむことのないキスをただただ、受け止めていた。



尊の体温を感じながら、私は幸せに包まれていた。





「なぁ、はる?」




「なに?」




「俺、遥香のこと心配なんだ。」






「えっ?」





私は、尊から体を少し外そうとするとそれをすかさず阻止された。




「悪い。このまま聞いててくれるか?」




今までにない真剣な声が、私の鼓動を加速させた。





「俺さ、さっきの朝陽のこともそうなんだけど、遥香が誰かに取られないか心配なんだ。



もちろん、俺は遥香を信じてる。



まっすぐに、俺を見つめて愛してくれている遥香が本当に大事なんだ。



この温もりだけは誰にも奪われたくない。



だから、死ぬ気で俺は遥香のことを守る。」




少しずつ熱くなる尊の体温が、苦しくなるくらいの嬉しい言葉が、私をどれだけ救っているか。




「尊。


前にも言ったかもしれないけど、私も尊を1番に愛してる。


私のこれからの人生、隣にいてほしい人は尊しかいないよ。


私、尊から絶対離れない。


約束する。」




「ありがとうな。遥香。」




それから、私は尊に抱かれ尊の愛と体温を感じながら夜の時間を一緒に過ごした。