side 遥香



それから、私と尊は近藤さんと朝陽先生の結婚式に参加した。



いつもナース服の近藤さんの姿しか見たことないから、ウエディングドレスを綺麗に着こなす近藤さんが新鮮だった。




朝陽先生も、いつもの白衣から今日はタキシードを格好よく決めている。




これから、2人はどんな人生を歩んでいくんだろうか。




私も、尊一緒に結婚式を挙げられるかな。





そんなことを考えていると、私は尊と目が合ってしまった。





「どうした?体調、悪いか?」






私は急いで首を横に振った。





「近藤さんと朝陽先生を見てたら、私もいつか尊一緒に結婚式を挙げられる日が来るのかなってふいに思っただけだよ。



私こういう式、初めて出るの。



結婚式って、見ず知らずの他人同士だった2人が、これからの人生を一緒に生きていくためのスタート地点になるんだね。



そう考えると、愛の形ってこういう所から始まるのかなって考えてたの。」




「そうか。



俺達もいつか、結婚式をあげような。




遥香、ただな。



結婚式を挙げてなくても、遥香と出会ってから俺たちは始まってるんだよ。



俺はこれからもずっと遥香と一緒に生きていきたい。」




尊は、私の手を取り一緒に朝陽先生と近藤さんの元へ向かった。





「はるちゃん。来てくれてありがとう。



はるちゃん、ワンピース可愛い。」




そう言って幸せそうに微笑む近藤さんを見てると、私も自然に笑顔になった。





「可愛いわ。俺、はるちゃんの笑顔ダメだわ。」





朝陽先生は、そう言って手で口を抑えていた。



そんな様子を見ていた尊は、私を自分の後ろに追いやられてしまった。





「朝陽。遥香に見とれるなよな。」




そう言って不機嫌になる尊。




「悪い悪い。たださ、やっぱりはるちゃんは笑顔が1番だよ。」




「朝陽がごめんね。


朝陽も余計なこと言わないの。


おかげで、はるちゃんの顔見れないじゃないの。」




「悪かったって。


尊と、はるちゃんが結婚式を挙げるときも呼んでよ。



俺、挨拶してもいいよ。」




「ああ。その時はよろしくな。」




そんな2人のやり取りを見てると、私はなんだか恥ずかしくなって尊の後ろにまた隠れてしまっていた。




そんな様子を見ていた尊が優しく私の肩を抱き寄せた。




「恥ずかしがることないだろ。



朝陽、近藤さん。



改めて、結婚おめでとう。」




「ありがとうございます。」




2人にそう伝えてから、私と尊は席へもどった。