ーside遥香ー
なんとなく、予想はしていた。
もうそろそろ、入院しないといけないことを。
自分の体調の悪化具合に、気づかないわけがない。
だから、少しだけは覚悟を決めていた。
それでも、受け止めきれない部分もあって辛かった。
医大生になってから、慣れない事ばかりで大変だった。
それなのに、入院となると医者になる道を閉ざされた気がした。
気づくと、私の瞳からは涙が流れていた。
私の将来はどうなるの?
そんなことを、見通しているかのように尊は私の話を最後まで聞いて、受け止めてくれた。
私の涙を、優しく拭ってくれた。
私は、1人じゃない。
そのことに気づけた。
だから、もう後ろを向かず前だけを向いて生きていこう。
私は、これからも尊と生きていく。
それを目標に、今は治療に専念しよう。
だから、私は入院する前に尊と楽しい思い出を作りたい。
何も考えず、今はそれだけを考えて尊とのデートを楽しんだ。
尊は、私の知らない世界をたくさん見せてくれた。
知らない場所、初めての体験。
尊と過ごしている時間はあっという間に過ぎた。
私達は、最後にマンションの近くの公園へと向かった。
「はい、これ飲んで。」
尊に、温かいココアを渡された。
「ありがとう。」
それから、公園のブランコに腰を降ろした。
「昔な、不安なことがあった時よくここに来てたんだ。このブランコに乗ってると、そんな不安なんか吹き飛んだ。空を見上げて、限りなくどこまでも続く空を見ていると自分の悩み事が小さいことに思えて、少し心が楽になったんだ。」
尊に言われ、私は夜空を見上げた。
大きな空に、幾つもの輝く星。
それから、私は大きく深呼吸をすると心のモヤモヤが少しだけ消えたような気がした。
「なんか、分かった気がする。」
「え?」
「病気になんか負けない。私、やりたいこと全部やる。後悔しないように、生きていく。」
私は、そう言って尊に笑って見せた。
そんな私を、尊は目を細め頭を撫でてくれた。
「その笑顔だよ。遥香には、笑顔が1番なんだから。」
私は、これから先も尊と生きていたい。
あなたのそばで笑っていたい。
その思いが、私を突き動かした。
なんとなく、予想はしていた。
もうそろそろ、入院しないといけないことを。
自分の体調の悪化具合に、気づかないわけがない。
だから、少しだけは覚悟を決めていた。
それでも、受け止めきれない部分もあって辛かった。
医大生になってから、慣れない事ばかりで大変だった。
それなのに、入院となると医者になる道を閉ざされた気がした。
気づくと、私の瞳からは涙が流れていた。
私の将来はどうなるの?
そんなことを、見通しているかのように尊は私の話を最後まで聞いて、受け止めてくれた。
私の涙を、優しく拭ってくれた。
私は、1人じゃない。
そのことに気づけた。
だから、もう後ろを向かず前だけを向いて生きていこう。
私は、これからも尊と生きていく。
それを目標に、今は治療に専念しよう。
だから、私は入院する前に尊と楽しい思い出を作りたい。
何も考えず、今はそれだけを考えて尊とのデートを楽しんだ。
尊は、私の知らない世界をたくさん見せてくれた。
知らない場所、初めての体験。
尊と過ごしている時間はあっという間に過ぎた。
私達は、最後にマンションの近くの公園へと向かった。
「はい、これ飲んで。」
尊に、温かいココアを渡された。
「ありがとう。」
それから、公園のブランコに腰を降ろした。
「昔な、不安なことがあった時よくここに来てたんだ。このブランコに乗ってると、そんな不安なんか吹き飛んだ。空を見上げて、限りなくどこまでも続く空を見ていると自分の悩み事が小さいことに思えて、少し心が楽になったんだ。」
尊に言われ、私は夜空を見上げた。
大きな空に、幾つもの輝く星。
それから、私は大きく深呼吸をすると心のモヤモヤが少しだけ消えたような気がした。
「なんか、分かった気がする。」
「え?」
「病気になんか負けない。私、やりたいこと全部やる。後悔しないように、生きていく。」
私は、そう言って尊に笑って見せた。
そんな私を、尊は目を細め頭を撫でてくれた。
「その笑顔だよ。遥香には、笑顔が1番なんだから。」
私は、これから先も尊と生きていたい。
あなたのそばで笑っていたい。
その思いが、私を突き動かした。