それから、何日かして尊は元気になった。



「遥香、おはよう。」



尊は、いつもの様にキッチンに立っていた。



私は、尊の額に触り熱がないことを確認した。




「遥香。ありがとうな。心配してくれて。」





「尊、もう大丈夫?」




「あぁ。もう大丈夫だよ。


今日は、遥香も顔色が良さそうだな。」





「なんだか、最近は体が軽いの。」




「よかった。でも、無理はしすぎるなよ。

診察して、大丈夫そうなら学校に行こうか。」




「うん!」



私は、尊の診察を受けてから学校に向かった。




今日は、久々に電車で学校に行くことも出来るようになった。




「遥香!今日は、大丈夫なのか?」





電車から降りて駅の改札を抜けると、大翔は私の手首を掴んだ。




「大翔。ありがとう。大丈夫だよ。」




「尊さんの診察を受けて電車に乗れたんだから、そんなに心配しなくても大丈夫だよね?遥香。」




「そうだよ。」




心配かけたくないの気持ちを汲み取ってくれた千尋の優しさだった。





「そっか。じゃあ、行こうか。」




私達は、そのまま大学へ向かった。





大学へ向かうと、私のロッカーの中にはたくさんのプリントが入っていた。





「遥香が休んでた分の講義資料は入れておいたんだけど、たくさんありすぎてわかんなくなっちゃうと思って、勝手にファイリングしちゃったんだ。



一応、私と大翔でやったんだけど、夏目先生も手伝ってくれたから後でお礼言いに皆で行こう。」






「夏目先生もファイリングしてくれたんだ。



千尋、大翔。本当にありがとう。



私、いつも2人に助けられてばっかりだね。」






「いいんだよ。千尋も俺も、遥香のこと少しでも力になりたいっていつでも思ってるから。」






「そうだよ。昔からの仲なんだし、遠慮は無用だよ。」





「ありがとう。」






「あっ!夏目先生。」





「そろそろ授業始まるよ…。



あ!佐々木さん。よかった、今日は出席できたんだね。」






「夏目先生、講義資料のファイリングしていただきありがとうございました。」






「いいんだよ。そのくらい担任としてさせてほしい。



それに、もし分からないことがあったら言ってね。


それから、放課後少し時間あるかな?」






「はい。大丈夫です。」





「じゃあ、少し話したいことがあるから職員室まで来てくれるかな?」






「分かりました。」






それから、私は今日1日何事もなく授業を受けることが出来た。





「遥香、今日は診察の日だっけ?」





「うん。これから病院に行かないといけないの。」




「そっか。じゃあ、私たちも一緒に行ってもいい?」




「あっ、でも今日は夏目先生からよ職員室呼び出されてたんだっけ。」







そういえば、夏目先生が放課後に職員室に行くように言われてたんだった。





「そっか。さっき言われてたな。俺たち教室で待ってるね。」









「いや、遅くなっちゃうかもしれないから、先に帰ってても大丈夫だよ。」





「いいよ、帰ってもやることないし。な、千尋。」







「そうね。遥香、尊先生に電話しなくて大丈夫?」







「うん。メッセージ入れておいたから大丈夫だと思う。」






私は、荷物をまとめ千尋と大翔と一緒に職員室に向かった。