「それは嬉しい言葉だな。
医者になってよかったって思える言葉だよ。
泣けるほど嬉しい。
これからも、この手は絶対に、離さないから。何があっても。」
「ありがとう。」
「遥香、今日はもう遅いから眠りな。
身体も温かくなってきたから。」
「うん。そうする。」
椅子から立ち上がり、身を投げるようにしてベッドに横になった。
「相当、今日は疲れたみたいだな…。」
尊のその後の一言に気づくまもなく、私は深い眠りへと落ちていった。
それから、気がつくと朝を迎えていた。
「遥香。」
私に声をかけたのは、尊の妹である梓先生だった。
「先生、どうして?」
「尊がね、体調崩しちゃったみたいで。
それで、遥香はまだあまり体調がよくないって尊から聞いたからお邪魔しちゃった。
輝も、今日はこっちに来れたから安心して休んでて。」
私は、驚きのあまりに不安が強くなり、胸が締め付けられるように苦しくなった。
3年間、尊と一緒に暮らしていて、尊が体調を崩したり寝込むことなんて1度もなかった。
私のせいだ…。
私のために、いつも尊は自分を犠牲にしてまで、私に付き添ってくれていた。
「遥香?
どうした?苦しい?」
きっと、今の不安が表情にも現れていたんだろうな…。
「私のせいです…。
ここのところ、体調があまり良くなくて、ずっと尊は私が眠るまで起きてたり、夜中に発作が起きた時も、起こしちゃったから、尊は十分に睡眠が取れてなかったんです。」
「遥香。
そんなことない。
自分を、責めることなんてしなくていいんだよ。
少なくとも、尊は遥香のために傍にいることや、看病をすることに苦痛を感じたことは1度もないと思う。
前にも話したけど、尊は遥香のことを大切に思ってる。
だからこそ、遥香は尊に頼っていいんだし、頼られることが嬉しいんだと思う。
ちょっと無理をしたりするのは、それだけ遥香が心配で大事に思ってるからだよ。
私も同じ。
尊には劣るかもしれないけど、家族として遥香のことを大切に思ってるよ。」
「そうだよ。
梓だけでなく、俺も同じだから。
梓の大切な人は、俺にとっても大切な人。
それ以前に、遥香は昔から知ってる大切な友達でもあるんだよ。
それに、俺も急に呼び出されたりしてるけど、それが嫌って思ったこと1度もないよ。」
「家族って、そうやってそれぞれみんなが支えあっていくものなの。
困っていたら、助け合うのが家族。
遥香も、私や尊、輝に何かあったら同じように心配するでしょう?」
私は、梓先生の言葉に頷いた。
「それと同じ。」
梓先生は、私の頭に手を置き優しく頭を撫でた。
そうだよ。
私は、家族なんていたことが無かったから分からなかったけど、本当の家族って例え血が繋がっていなくても、自分にとって居心地がよくて、温かくて帰りたくなる場所が、本当の家族なんだ。
ようやく、分かったような気がする。
いつも、罪悪感に苛まれていた自分の心が軽くなった気がした。
「私、尊のために何かしてあげたい。」
「それなら、遥香。マスクをつけて尊の傍にいてあげて。」
「はい。」
梓先生の言葉に私は笑顔になった。
医者になってよかったって思える言葉だよ。
泣けるほど嬉しい。
これからも、この手は絶対に、離さないから。何があっても。」
「ありがとう。」
「遥香、今日はもう遅いから眠りな。
身体も温かくなってきたから。」
「うん。そうする。」
椅子から立ち上がり、身を投げるようにしてベッドに横になった。
「相当、今日は疲れたみたいだな…。」
尊のその後の一言に気づくまもなく、私は深い眠りへと落ちていった。
それから、気がつくと朝を迎えていた。
「遥香。」
私に声をかけたのは、尊の妹である梓先生だった。
「先生、どうして?」
「尊がね、体調崩しちゃったみたいで。
それで、遥香はまだあまり体調がよくないって尊から聞いたからお邪魔しちゃった。
輝も、今日はこっちに来れたから安心して休んでて。」
私は、驚きのあまりに不安が強くなり、胸が締め付けられるように苦しくなった。
3年間、尊と一緒に暮らしていて、尊が体調を崩したり寝込むことなんて1度もなかった。
私のせいだ…。
私のために、いつも尊は自分を犠牲にしてまで、私に付き添ってくれていた。
「遥香?
どうした?苦しい?」
きっと、今の不安が表情にも現れていたんだろうな…。
「私のせいです…。
ここのところ、体調があまり良くなくて、ずっと尊は私が眠るまで起きてたり、夜中に発作が起きた時も、起こしちゃったから、尊は十分に睡眠が取れてなかったんです。」
「遥香。
そんなことない。
自分を、責めることなんてしなくていいんだよ。
少なくとも、尊は遥香のために傍にいることや、看病をすることに苦痛を感じたことは1度もないと思う。
前にも話したけど、尊は遥香のことを大切に思ってる。
だからこそ、遥香は尊に頼っていいんだし、頼られることが嬉しいんだと思う。
ちょっと無理をしたりするのは、それだけ遥香が心配で大事に思ってるからだよ。
私も同じ。
尊には劣るかもしれないけど、家族として遥香のことを大切に思ってるよ。」
「そうだよ。
梓だけでなく、俺も同じだから。
梓の大切な人は、俺にとっても大切な人。
それ以前に、遥香は昔から知ってる大切な友達でもあるんだよ。
それに、俺も急に呼び出されたりしてるけど、それが嫌って思ったこと1度もないよ。」
「家族って、そうやってそれぞれみんなが支えあっていくものなの。
困っていたら、助け合うのが家族。
遥香も、私や尊、輝に何かあったら同じように心配するでしょう?」
私は、梓先生の言葉に頷いた。
「それと同じ。」
梓先生は、私の頭に手を置き優しく頭を撫でた。
そうだよ。
私は、家族なんていたことが無かったから分からなかったけど、本当の家族って例え血が繋がっていなくても、自分にとって居心地がよくて、温かくて帰りたくなる場所が、本当の家族なんだ。
ようやく、分かったような気がする。
いつも、罪悪感に苛まれていた自分の心が軽くなった気がした。
「私、尊のために何かしてあげたい。」
「それなら、遥香。マスクをつけて尊の傍にいてあげて。」
「はい。」
梓先生の言葉に私は笑顔になった。