「はる…。遥香!起きて。」






「尊?」





「学校着いたよ。」







「あっ…そうだったね…。

ありがとう。」







そう言って、身体を起こそうとしたらひどい立ちくらみが私を襲った。






「今日は、無理そうだな…。さっきよりも熱が上がって来たみたいだし。



今から、病院に向かうよ。」







「だめだよ。」








「遥香、前にも言ったけど自分の身体も大事にしてほしい。


焦らなくていいんだよ。ゆっくり休むことも必要なんだ。



今日は、ゆっくり体調を治して来週からまた頑張ろう。なっ?」







「…うん。」







首を縦に振った私を見て、安心したように微笑む尊。






「それじゃあ、病院に向かうから具合悪くなったら言えよ。」







「うん。」






それからしばらく車に揺られてから病院に着いた。







「尊…?」





「どうした?」







「苦しい…」







「吸入しよう、ゆっくりでいいから。」







それからすぐに、重い発作が起きてしまった。







「体温もだいぶ高いし、脱水になりかけてるから、ちょっと水分補給しようか。」







「うん。」






「遥香、ちょっと抱くよ。」






頷く暇もなく、私の体は持ち上がった。









それから、いつもの個室に連れていかれてからすぐに近藤さんと朝陽先生が来た。







「朝陽、悪いんだけど遥香のことを少しの間診ていてくれないか?


下の売店で、飲み物買ってくる。



遥香、脱水になりかけてるしさっき重い発作が起きたから酸素マスクと点滴をしてほしいんだけど…」







「分かった。」




「ありがとう。

じゃあ、遥香。すぐに戻って来るから、朝陽の言うことをちゃんと聞いてな。」






「うん。」






それから、尊は部屋を後にした。






朝陽先生の診察が始まって、聴診している時に朝陽先生の表情は一気に険しくなった。






私は、不安になってベッドのシーツを握りしめていた。







「はるちゃん?苦しい?」







先生の言葉に首を横に降った。







そんな私を見て、優しく朝陽先生は微笑んだ。







「雪乃、ちょっとはるちゃんのことをよろしく。」







「はい。」







それから、朝陽先生も私の病室を後にした。