でも、単なる私の我がままで、尊には何の罪もないのに、尊に当たったことを後悔した。



日に日に増えていく課題と、段々早くなって複雑になる講義。



1回1回、理解できなくて追いついていけなくて今は、分からないことを分かるようにしていくことが精一杯だった。



いつの日か、尊に言われた。



分からない所を、分からないままにはしないということ。



だけど、いくら分かろうとしても、尊に聞いたとしても、はっきり見えてこなくて、分からなくて、心が折れそうだった。




周りが、実習に向けてピリピリしてきた。



だから、その空気でさえも、私には、ストレスに感じてしまう。




どうすればいいんだろう。




「どうしたの。」




食堂の椅子に座り、レポートをまとめていると、隣に直輝先輩が座った。



「何でもないです。」




「何でもないっていう顔、してないけど。」




「…大丈夫ですから。」



「遥香ちゃんさ、1人で何か抱え込んでいるなら吐き出して、楽になりな。」



「…はぁ…。」



その言葉に、私の目頭が熱くなって、次々と涙が流れていた。




「いいよ、落ち着いてからで。」




優しく、背中をさすってくれる直輝先輩。



その優しさに、私は少し救われた。