ーside遥香ー
私は、退院してから5ヵ月が経っていた。
季節は、すっかり秋になり、肌寒い日々が続いた。
「遥香、おはよう。」
「あ、尊。昨日は当直じゃなかったの?」
そう言いながらも、私は尊の背中に抱きついた。
「そんなことされると、俺。何するか分からないよ?」
「…まだ朝だよ。」
「朝でも俺は、関係ないから。覚悟しろ。」
私の腕をほどき、尊が唇にキスを落としてから、初めて舌を絡めてきた。
こんなの、初めてで上手く呼吸ができず、次第に呼吸が乱れてきた。
「悪い。つい。」
息が上がっている私を見て、尊は優しく背中をさすってくれた。
「もう、知らない。」
尊に、背を向け私は自分の部屋に入り今日の授業の支度を始めた。
「遥香、最近授業の方は大丈夫か?」
「え?」
「夜遅くまで、勉強してるみたいだから。身体も大事にしろよ。」
「…尊って、いつも命令形だよね。」
「え?」
「…ごめん、何でもない。」
「遥香?」
「あ、そろそろ行かないと、遅刻する。」
「遥香!」
「行ってきます。」
尊の言葉に、耳を傾けることなく勢いで家を飛び出してきてしまった。
本当…ダメだな。
今の自分に余裕が無い。
尊に、話を聞いてほしくて、きっとこうなることは分かっていたけど、自分の異変に気づいてほしかった。
けど、それは自分の我がままだったのかもしれない。
それにしても…
ここまで、単位を落とさずテストをすり抜けてきたことが奇跡に思える。
そろそろ実習が始まる。
今は、その準備に向けてたくさん課題が出されていた。
だから、尊には分かってほしかった。
私の気持ちに、気づいてほしかった。
私は、退院してから5ヵ月が経っていた。
季節は、すっかり秋になり、肌寒い日々が続いた。
「遥香、おはよう。」
「あ、尊。昨日は当直じゃなかったの?」
そう言いながらも、私は尊の背中に抱きついた。
「そんなことされると、俺。何するか分からないよ?」
「…まだ朝だよ。」
「朝でも俺は、関係ないから。覚悟しろ。」
私の腕をほどき、尊が唇にキスを落としてから、初めて舌を絡めてきた。
こんなの、初めてで上手く呼吸ができず、次第に呼吸が乱れてきた。
「悪い。つい。」
息が上がっている私を見て、尊は優しく背中をさすってくれた。
「もう、知らない。」
尊に、背を向け私は自分の部屋に入り今日の授業の支度を始めた。
「遥香、最近授業の方は大丈夫か?」
「え?」
「夜遅くまで、勉強してるみたいだから。身体も大事にしろよ。」
「…尊って、いつも命令形だよね。」
「え?」
「…ごめん、何でもない。」
「遥香?」
「あ、そろそろ行かないと、遅刻する。」
「遥香!」
「行ってきます。」
尊の言葉に、耳を傾けることなく勢いで家を飛び出してきてしまった。
本当…ダメだな。
今の自分に余裕が無い。
尊に、話を聞いてほしくて、きっとこうなることは分かっていたけど、自分の異変に気づいてほしかった。
けど、それは自分の我がままだったのかもしれない。
それにしても…
ここまで、単位を落とさずテストをすり抜けてきたことが奇跡に思える。
そろそろ実習が始まる。
今は、その準備に向けてたくさん課題が出されていた。
だから、尊には分かってほしかった。
私の気持ちに、気づいてほしかった。