ーside尊ー
遥香の手術が無事に終わり、ホッとしているのもつかの間だった。
遥香の心臓は、再び元気を取り戻してくれたのはいいけど、まだ喘息の方は完治したとは言えない。
まだ、発作も起こるし安定していない。
不安なことはたくさんあるけど、今は遥香が元気に笑っていてくれさえいればそれでいい。
一時は、生死の境をさまよった遥香。
心停止して俺は、改めて遥香の大切さに気付いた。
あの時は、生きた心地がしなかったな。
本当。
遥香の生命力が、心配していた以上に強くてよかった。
生きていてくれてよかった。
俺の腕の中で、落ち着いた呼吸で眠る遥香。
俺はベットに寝かせて掛け布団をかけた。
「お疲れ、遥香。」
遥香が起きないように、前髪を撫でベッドサイドで仕事を始めた。
仕事を始めてから3時間は経っていた。
「尊。」
「あ、俺。寝てたんだな…。」
遥香が、毛布をかけてくれたんだな。
「ちょっと、遥香。来て。」
「なに?」
「…やっぱり。」
遥香の胸に耳を当てた。
少しながらも、苦しそうな呼吸の音が聞こえる。
「離して。」
「ダメだ。吸入しよう。」
俺は、遥香の身体を持ち上げ、リビングへ向かった。
ソファーに遥香を下ろし、吸入器を遥香の口にあてた。
「苦しくないか?」
「ちょっと苦しい。」
「まだ、起きてような。寝たら発作が起きるから。」
「分かった。尊は寝ていいよ。」
「遥香に付き合うよ。」
「でも、明日仕事でしょ?」
「そんなの、遥香も同じだろ。」
「…尊にはかなわないや。」
「俺は、遥香にかなわないけどな。」
「尊?」
「ん?」
「ずっと休んでたけど、明日からの授業ついていけるかな。」
「…遥香、はっきり言って多分厳しいと思う。でも、休んでいた授業の資料は、必ず千尋ちゃんとかに貰いな。それで、休み時間とかに少しでも頭に入れておくといいよ。」
「そっか。休み時間、たくさんあるからね。」
「だけど、ちゃんと休憩を取ることも大切だよ。それに、分からない所があったら、いつでも俺に聞いていいから。分からないままにしておかないこと。分からないままにしておくと、これからの勉強が、つまずいてしまうから。」
「大丈夫。分からないままにはしないよ。尊とか、先生にちゃんと聞く。」
「うん。頑張れよ。」
「ありがとう。」
最近、見られていなかったこの笑顔を再び見ることができてよかった。
遥香を抱きしめ、そっと唇にキスを落とした。
「尊…」
「やばいな…」
「え?」
「その顔は反則。俺の中で歯止めが効かなくなる。」
「変態。」
「遥香が、色っぽすぎるのが悪い。」
意地悪な笑みを浮かべた遥香を、自分の胸の中に遥香の頭を引き寄せた。
「私、この温もりが1番好き。」
「ん?俺は、大好きだけど。」
「…1番だから。」
「…ばか。」
遥香の言葉が素直に嬉しくて、俺の所が1番安心出来ると言ってくれているようで嬉しかった。
この温もりは、何があったとしても離さない。
俺自身も、無くしたくない。
こんなに温かい温もりは、きっと他にはいないから。
遥香の手術が無事に終わり、ホッとしているのもつかの間だった。
遥香の心臓は、再び元気を取り戻してくれたのはいいけど、まだ喘息の方は完治したとは言えない。
まだ、発作も起こるし安定していない。
不安なことはたくさんあるけど、今は遥香が元気に笑っていてくれさえいればそれでいい。
一時は、生死の境をさまよった遥香。
心停止して俺は、改めて遥香の大切さに気付いた。
あの時は、生きた心地がしなかったな。
本当。
遥香の生命力が、心配していた以上に強くてよかった。
生きていてくれてよかった。
俺の腕の中で、落ち着いた呼吸で眠る遥香。
俺はベットに寝かせて掛け布団をかけた。
「お疲れ、遥香。」
遥香が起きないように、前髪を撫でベッドサイドで仕事を始めた。
仕事を始めてから3時間は経っていた。
「尊。」
「あ、俺。寝てたんだな…。」
遥香が、毛布をかけてくれたんだな。
「ちょっと、遥香。来て。」
「なに?」
「…やっぱり。」
遥香の胸に耳を当てた。
少しながらも、苦しそうな呼吸の音が聞こえる。
「離して。」
「ダメだ。吸入しよう。」
俺は、遥香の身体を持ち上げ、リビングへ向かった。
ソファーに遥香を下ろし、吸入器を遥香の口にあてた。
「苦しくないか?」
「ちょっと苦しい。」
「まだ、起きてような。寝たら発作が起きるから。」
「分かった。尊は寝ていいよ。」
「遥香に付き合うよ。」
「でも、明日仕事でしょ?」
「そんなの、遥香も同じだろ。」
「…尊にはかなわないや。」
「俺は、遥香にかなわないけどな。」
「尊?」
「ん?」
「ずっと休んでたけど、明日からの授業ついていけるかな。」
「…遥香、はっきり言って多分厳しいと思う。でも、休んでいた授業の資料は、必ず千尋ちゃんとかに貰いな。それで、休み時間とかに少しでも頭に入れておくといいよ。」
「そっか。休み時間、たくさんあるからね。」
「だけど、ちゃんと休憩を取ることも大切だよ。それに、分からない所があったら、いつでも俺に聞いていいから。分からないままにしておかないこと。分からないままにしておくと、これからの勉強が、つまずいてしまうから。」
「大丈夫。分からないままにはしないよ。尊とか、先生にちゃんと聞く。」
「うん。頑張れよ。」
「ありがとう。」
最近、見られていなかったこの笑顔を再び見ることができてよかった。
遥香を抱きしめ、そっと唇にキスを落とした。
「尊…」
「やばいな…」
「え?」
「その顔は反則。俺の中で歯止めが効かなくなる。」
「変態。」
「遥香が、色っぽすぎるのが悪い。」
意地悪な笑みを浮かべた遥香を、自分の胸の中に遥香の頭を引き寄せた。
「私、この温もりが1番好き。」
「ん?俺は、大好きだけど。」
「…1番だから。」
「…ばか。」
遥香の言葉が素直に嬉しくて、俺の所が1番安心出来ると言ってくれているようで嬉しかった。
この温もりは、何があったとしても離さない。
俺自身も、無くしたくない。
こんなに温かい温もりは、きっと他にはいないから。