「なぁ、遥香。どうしてさっき胸の傷を見せてって言った時、嫌がったんだ?」



「…それは。」



「遥香?」



「この傷も、お腹の傷も見られることが嫌なの。やっぱり、肌が綺麗な女性の方がいいよね。」




「遥香。俺は、遥香のここにある傷は遥香の群青だと思うよ。頑張った証。病気と向き合った証。だから、胸張っていいんだよ。まだ、遥香が自分の目で傷口を見る事は怖いと思う。けど、少しずつ受け入れていこう?それも含めて、自分なんだから。」




「尊…」


これは、治療を頑張った証。



病気と向き合っている証。



そう思うと、少しでもこの傷口を自分の群青として受け入れることができた。