ーside遥香ー
尊が、部屋を出てから暇な時間を過ごした。
何か、買いに行こうかな。
私は、ベッドから降りて下の売店へと向かった。
相変わらず、私のことを見てくる人が多い。
きっと、ここは私くらいの若い人は数少ないから。
同情の目で見られることが、1番辛かった。
「遥香ちゃん?」
後ろから声が聞こえて、私は振り返った。
「あ!山城先生!」
久々の再会だった。
「遥香ちゃん、どうしたの?喘息、悪化しちゃった?」
心配そうに顔をのぞきこむ山城先生の優しさは変わっていなかった。
「違いますよ。実は…私心臓病を患ってしまって…」
先生に、心配かけないように頑張って笑って見せたけど、
「無理して笑顔を作らなくていい。辛いなら、頑張らなくていいんだよ。」
山城先生は、全てを見透かしているようだった。
やっぱり、優しいな。
「遥香ちゃん。寝てなくて大丈夫?」
「え?」
「顔が赤いけど…?もしかして、抜け出してきた?」
私は、小児科にいた頃よく病室を抜け出していた。
「違います…」
「熱あるんじゃない?」
そういえば、さっきから身体が異様に熱くて視界がぼやけている。
「遥香ちゃん、ちょっと病室に戻ろう。」
「はい…。」
私は、山城先生に抱えられ病室に戻った。
「遥香ちゃん!?あ、山城先生。」
「近藤さん、久しぶり。遥香ちゃん、熱があるみたいだから、バイタルの用意。それから、吸入器と一応、佐々木先生に連絡…」
「だめ!」
尊には、言いたくなかった。
今は、尊の仕事の邪魔をしたくない。
「遥香ちゃん、ちゃんと話さないと。」
「…でも…」
ぼやけた視界が、塞がれたように私は真っ暗な世界へと落ちて行った。
今までに感じたことのない息苦しさ。
そして、胸の痛み。
えっ…私、死ぬの?
「遥香ちゃん!?」
その言葉は、私には届く事はなかった。
尊が、部屋を出てから暇な時間を過ごした。
何か、買いに行こうかな。
私は、ベッドから降りて下の売店へと向かった。
相変わらず、私のことを見てくる人が多い。
きっと、ここは私くらいの若い人は数少ないから。
同情の目で見られることが、1番辛かった。
「遥香ちゃん?」
後ろから声が聞こえて、私は振り返った。
「あ!山城先生!」
久々の再会だった。
「遥香ちゃん、どうしたの?喘息、悪化しちゃった?」
心配そうに顔をのぞきこむ山城先生の優しさは変わっていなかった。
「違いますよ。実は…私心臓病を患ってしまって…」
先生に、心配かけないように頑張って笑って見せたけど、
「無理して笑顔を作らなくていい。辛いなら、頑張らなくていいんだよ。」
山城先生は、全てを見透かしているようだった。
やっぱり、優しいな。
「遥香ちゃん。寝てなくて大丈夫?」
「え?」
「顔が赤いけど…?もしかして、抜け出してきた?」
私は、小児科にいた頃よく病室を抜け出していた。
「違います…」
「熱あるんじゃない?」
そういえば、さっきから身体が異様に熱くて視界がぼやけている。
「遥香ちゃん、ちょっと病室に戻ろう。」
「はい…。」
私は、山城先生に抱えられ病室に戻った。
「遥香ちゃん!?あ、山城先生。」
「近藤さん、久しぶり。遥香ちゃん、熱があるみたいだから、バイタルの用意。それから、吸入器と一応、佐々木先生に連絡…」
「だめ!」
尊には、言いたくなかった。
今は、尊の仕事の邪魔をしたくない。
「遥香ちゃん、ちゃんと話さないと。」
「…でも…」
ぼやけた視界が、塞がれたように私は真っ暗な世界へと落ちて行った。
今までに感じたことのない息苦しさ。
そして、胸の痛み。
えっ…私、死ぬの?
「遥香ちゃん!?」
その言葉は、私には届く事はなかった。