ーside尊ー


遥香に、キスをされて男としての理性を吹き飛ばされそうになったけど、今は遥香の体調のことを考えて、なんとか遥香を襲わずに済んだ。



遥香は、無自覚に理性を飛ばしてくるから困る。



俺が、どれだけ理性を抑えているかも知らないんだろうな。



まぁ、そこが遥香らしいというか可愛いというか。




心配になるくらいの鈍感さが、愛おしい。




「遥香?」



規則正しい呼吸が、聞こえてきた。



いつもは、苦しそうに眠っているから今日は落ち着いていることに安心した。



「相変わらず、可愛い顔をして眠ってるな…」



それは、思わず食べたくなるくらい。



元気になったら、覚えておけよ。




そう言葉にしたいくらいだった。




それにしても…




遥香は、これからのことに色んな不安を抱えているんだろうな。



もう少し、肩の力を抜いて楽に生きて欲しい。



抱え込まず、話してほしい。




そのために、俺は遥香のそばにいるんだから。



愛している人なら、俺は受け止めていきたい。




一緒に悩み、考えて乗り越えていく。



それが、俺の誠意だから。



遥香には、辛い思いをしてほしくない。




もっともっとたくさん甘えてほしい。