ーside遥香ー
いつだったか忘れたけど、私は尊にこう言ったことがあった。
自分は、病弱だから医者には向いてないんじゃないのか。
それは、その通りだったのかもしれない。
大学が始まってから3ヶ月。
私は、喘息と心臓病の発作に苦しめられてまともに授業を受けられる日は少なかった。
だから、退学届を提出するか迷ってる。
自分には、医者になりたい気持ちはある。
だけど、そう考えるのはいけないことだったのかもしれない。
やっぱり向いてないのかな…
その矢先だった。
俯いて歩いていると誰かにぶつかって、後ろに倒れそうになったところ、腕を引っ張られ怪我をせずに済んだ。
「ごめんね!」
「大丈夫です。すみません。」
「君…1年生?」
「そうですけど…」
「俺は、2年の早坂直輝。よろしくね。」
「白石遥香です。宜しくお願いします。」
なんとなく…尊に似ている気がした。
気のせいかな…。
「俯いてると、いいことないよ。」
この言葉やっぱり!
ハッとしている私に、
「昔、兄が言ってたんだ。」
「その人、今医者ですか?」
「そうだけど、知ってる?佐々木尊っていう人。」
「はい、知ってます。」
「俺は、尊とはいとこなんだ。驚いた。どういう知り合い?」
「…私の主治医です。」
さすがに、初対面の人に彼氏なんて言えなかった。
「どこか悪いの?」
「…あ!1限始まっちゃうので行きます!」
「あ!ちょっと!」
「さっきはすみませんでした。」
この大学の人には、自分が病気なことを知られたくなかった。
先生には伝えてあるけど。
「遥香、おはよう!」
「あ、千尋おはよう。」
「今日は体調大丈夫?」
「うん。薬飲んできたから大丈夫。」
「無理しないでね。」
「千尋、いつもありがとう。」
「何改まってるのよ。親友だから当たり前でしょ。」
それから、私は普通に授業を受けた。
午後の授業が終わり、私はいつも通り尊からのメッセージを見た。
相変わらずの心配性。
「あ…」
今日は診察の日だった…
最近は週3で通院しないといけなくなった。
正直、今は病院に行ってる暇なんてない。
ただでさえ、毎日難しい講義を受けて理解していない上に、みんなよりも授業を最後まで受けられていないから、毎日図書館に引きこもって勉強する日々が続いていた。
それが、たとえ診察の日でさえも勉強は欠かすことができない気がしていた。
尊に言ったら…怒られるよね。
いつだったか忘れたけど、私は尊にこう言ったことがあった。
自分は、病弱だから医者には向いてないんじゃないのか。
それは、その通りだったのかもしれない。
大学が始まってから3ヶ月。
私は、喘息と心臓病の発作に苦しめられてまともに授業を受けられる日は少なかった。
だから、退学届を提出するか迷ってる。
自分には、医者になりたい気持ちはある。
だけど、そう考えるのはいけないことだったのかもしれない。
やっぱり向いてないのかな…
その矢先だった。
俯いて歩いていると誰かにぶつかって、後ろに倒れそうになったところ、腕を引っ張られ怪我をせずに済んだ。
「ごめんね!」
「大丈夫です。すみません。」
「君…1年生?」
「そうですけど…」
「俺は、2年の早坂直輝。よろしくね。」
「白石遥香です。宜しくお願いします。」
なんとなく…尊に似ている気がした。
気のせいかな…。
「俯いてると、いいことないよ。」
この言葉やっぱり!
ハッとしている私に、
「昔、兄が言ってたんだ。」
「その人、今医者ですか?」
「そうだけど、知ってる?佐々木尊っていう人。」
「はい、知ってます。」
「俺は、尊とはいとこなんだ。驚いた。どういう知り合い?」
「…私の主治医です。」
さすがに、初対面の人に彼氏なんて言えなかった。
「どこか悪いの?」
「…あ!1限始まっちゃうので行きます!」
「あ!ちょっと!」
「さっきはすみませんでした。」
この大学の人には、自分が病気なことを知られたくなかった。
先生には伝えてあるけど。
「遥香、おはよう!」
「あ、千尋おはよう。」
「今日は体調大丈夫?」
「うん。薬飲んできたから大丈夫。」
「無理しないでね。」
「千尋、いつもありがとう。」
「何改まってるのよ。親友だから当たり前でしょ。」
それから、私は普通に授業を受けた。
午後の授業が終わり、私はいつも通り尊からのメッセージを見た。
相変わらずの心配性。
「あ…」
今日は診察の日だった…
最近は週3で通院しないといけなくなった。
正直、今は病院に行ってる暇なんてない。
ただでさえ、毎日難しい講義を受けて理解していない上に、みんなよりも授業を最後まで受けられていないから、毎日図書館に引きこもって勉強する日々が続いていた。
それが、たとえ診察の日でさえも勉強は欠かすことができない気がしていた。
尊に言ったら…怒られるよね。