せっかく乾いてきた涙が、また溢れそうになって深く俯いた。


可奈子。僕も、同じ気持ちだったよ。
すごく幸せだった。


可奈子のおかげで毎日がキラキラしてたんだ。


僕の方こそ、感謝してる。


ありがとう。可奈子。


鼻を啜って最後の一ページを開いた。



【葉くん、三年間ありがとう。
とっても楽しかったね。
いろんなことがあったけど、私は楽しかったよ。
だから、どうか忘れないで、覚えていて。
そして時々思い出して。
私といた、青春の日々を。
卒業おめでとう。
未来に向かって、頑張ってね。

              可奈子】



僕の目蓋にいくつも浮かび上がる可奈子のいろんな表情。


怒ったり、拗ねたり、泣きそうになったり、笑ったり笑ったり…。


全部が愛おしい。



「忘れるわけ…ないだろ」



こんなにも苦しいのに、愛おしい気持ち。



「可奈子…」



ちゃんと、前を向こう。


未来に向かって、僕は進まなければいけない。