「なかなか酷いフラれ方されてたからな~。」



先生がケラケラ笑いながらそう私に言った。

前言撤回。
本当に心配してるのかこの人は……。

でも根は優しいのは分かってるから許そう。



「というか先生何で吉澤くんのこと知ってたんですか。
向こうは先生のことほとんど知らなかったみたいですけど。」



先生と壮介の間に接点ないはずなのに。



「俺も実行委員の時までは顔しか知らなかった。
ただ顔だけ何となく覚えていたし、お前部活入ってないのに一般のそれも男と仲良くしてたから、もしかしてあいつかなと思って。」



先生はいつの間にパソコンで仕事を再開していた。

視線は画面に釘付けのまま。



───理数コースだけだって全校で120人いるのに、
どうして一生徒である私の元彼の顔まで覚えているんだろうか。

もしかして、他の生徒よりは特別な存在になれているのかな、と期待してしまう。