謝るならやっぱり放課後?
翌朝のHRの時間にぼーっと考える。
話の内容が内容なだけに、
なるべく一目のつかないところで話したい。
いつもの通り生物準備室に行ったが、
ドアをノックしても返事がなかった。
「電気はついているんだけどな……。」
迷ったが、生物準備室のドアを空けてみると、
やっぱり誰もいなかった。
しかし、生物室の電気もついている。
私は生徒用の出入り口から生物室のドアをおそるおそる開けた。
「あれ、なんで新沼が。」
私を見るなりそう言った先生の隣には市田さんがいた。
こっちこそ、なんで市田さんがいるの……
って、生物部の活動か。
確かに部活動中なら私が来るのも驚くわけだ。
生物室にいる他の部員も不思議そうに私を見る。
「瀬名先生に話したいことがあって。
でも、急用ではないので、後日でも大丈夫です。」
「いや、俺は今たまたま生物部の子と話してただけだし、活動には参加しないから。」
でも市田さんがいるところで話せない内容なわけでして……。