「私のお兄ちゃんに先生がデートの写真見せてたりしてるのをちらっと見たことぐらいしか。」



身を乗り出して聞いてみる。



「どんな人だか覚えてる?」

「まあ派手ではないけど美人だったのは覚えてる。」



ああ美人……私とは程遠い……。



「いや、たまたま美人だっただけで、今はまたタイプ変わってると思うよ。」



舞が後から付け足した。



「そうだと信じたいけどさ、過去にそんな人と付き合ってたのかーって思っちゃった。」



過去は過去なのは十分わかってる。

私だって壮介のこと聞かれたらすごく嫌なのは身に染みて感じたし。

でも気になるもんは気になっちゃう!!



「舞だって、今お付き合いしてる人の過去とか気にならない?」



舞は頼んだブラックコーヒーを一口飲んでコップを机に置いた。



「私は割り切ってる。でも気にする人の方が普通だとは思うけどね。」



さすが舞だ。



「ま、とにかく優佳がいつもの調子に戻ってくれてよかった。
先生にも一応謝りなよ。」

「そうだね。今日はありがとね、本当に。」



先生のおかげで舞と仲直りできて、
舞のおかげで先生と仲直りできそう。


二人ともに感謝しなきゃと思いながら、舞と駅で別れた。