「えっ……。」



それってもしかして先生が私のことを………!?



「あ、カズ戻ってきた。じゃ俺はここで。」



そう言い店員さんは厨房の方に戻っていった。



「あいつ二人に何か俺の悪口言ってた?」

「いや、悪口ではないですよ。」



舞がそう答えた。



「そっか。まあそれならいいや。
じゃ、会計済ましてくるから帰る支度して。」

「はい。」



会計をしている最中の先生の方をチラッと見ると、黒い財布が見えた。

まあ一番ありがちな色だ。


店を出ると今にも冬がやってきそうな風が吹いた。



「寒っ。」



ん?

あまりの寒さに思わず声に出てしまったが、
同じタイミングで明らかに私よりも低い声が聞こえた。