まさか私のこと聞かれるとは思わなかった。

でもさっきの落ち込みから回復できた。



「私は年の離れた妹が一人います。」

「へーそうだったんだ。三野谷は?」

「私?……兄が一人。」



3人でいろいろ話しているうちに、
すべてのプリントを束にすることができた。



「二人ともありがと。
じゃ、俺片付けてから車でそっち向かうから、二人先に電車で桜田駅に行っててくれるかな。」



てっきり先生も一緒に移動するのかと思っていたから少しショックだけど、仕方ない。



「あ、そうだ。着いたら俺に連絡ちょうだい。」

「分かりました。」



私も舞もそう返事したが、
生物準備室を出てから疑問が浮かんだ。

体ごと横にいる舞の方に向けて立ち止まった。



「ねえ舞。」

「どうした?」

「連絡ちょうだいって言われたけど、私たち先生の連絡先知らなくない?」



だってこんな用で学校の電話にかけるわけにはいかないし、
かと言って先生の携帯電話の番号も知らない。