あれからなかなか3人(主に瀬名先生)の都合が合わず、
つけ麺屋に連れてってもらう頃には秋が深まってくる11月になっていた。
手伝いというから面倒臭いことをやらされるのかと思いきや、
捨てる予定のプリントの束を麻ひもで縛るだけの作業だった。
「何でこの時期にこんなに捨てる物出てくるんですか。」
ある意味気まずい雰囲気もお互い醸し出しながら黙々と作業していた中、
舞が開口一番そう言った。
「普段印刷し慣れていないから、テスト問題刷る時設定間違えて。両面印刷だから裏紙利用もできなくて。」
「………。」
舞が何か返事するかと思っていたのに話そうとしないから
また気まずい雰囲気に包まれてしまった。
助けを求めるように舞の方を向くと、
何か喋ってと言わんばかりの視線を向けられた。
「先生ドジですね。」
いやいや、さっきの返事はもう遅い!
心の中にいるもう1人の自分がそう言っている。