それからというものの、
先生と話す機会は皆無と言っていいほどなく、
あっという間に夕飯のおごりがかかった2学期の中間テストの前日まで来てしまった。



……それにしても今回の範囲難しすぎるって。

テスト難しくするってただでさえ理解しにくいところなのに、
これじゃあ私はともかく他の人も高得点無理だって。

解説書を読んでも理解できないところが出てきて、私は少し迷った。


瀬名先生に質問しに行こうかどうか。


きっと混んでいると思うけど、
分からないところをそのままにしているのも嫌だったし、
聞きに行くことにした。

試しに生物準備室のドアをノックしてみたら、
ちょっと待っててという先生の声が聞こえた。

耳を立ててみると、1人の女子高生と瀬名先生の会話がする。


ここまでは想定内だった。

しかし、ドアから出てきた相手に私は驚きを隠せなかった。

文化祭の時に会った生物部の女子生徒だった。

向こうも私のことを微かに覚えていたのか、
一瞬目を見開いたのを私は見逃さなかった。