「それでは第45回堺東高校文化祭を開催いたします。」
文化祭実行委員長の言葉で
うちの高校で一番盛り上がる行事である文化祭が始まった。
クラスでの出し物はタピオカジュースで、
私は受付の担当。
とは言っても受付している時間はわずか3時間だから、他の時間は暇なのだ。
だから、空き時間は舞と一緒にお店を回ろうと考えている。
そして運良く瀬名先生に会えたら……
なーんて思ったり。
しかし、いくら校内をうろちょろしていても、
瀬名先生は見当たらなかった。
「どうしたの、さっきから目キョロキョロしてるけど。」
「い、いや、何でもない。」
「そう。」
舞はそうあっさり返事したが、
数秒後に何か思い当たったのか、口を開く。
「もしかして瀬名先生?」
…………ごもっともです。