少し奥の席を見ると、確かに壮介が女子生徒と二人でだべっている。



「あれ、新しい彼女かな。」

「多分そう。前もあの子と一緒にいるとこ見たから。
まあ私にとっちゃどうでもいいけど。」

「未練ないんだ。」

「もちろん。」



別れた当時は若干未練がましく思っていたけれど、
別れた理由が理由なだけに壮介には失望している。

だから今こういう現場を見ても、
何と思わない。



「吉澤くんって部活入ってないんだっけ?」

「サッカー部入るとか入学前言っていたけど、結局入ったのか分からない。」

「ふーん。」



まあこの時間に遊んでるってことは
きっと部活に入っていないんだろうけど。



「あれ、優佳?」



声のする方を見たら壮介と彼女がいた。

トレーを持っていたから帰り際だろう。



「.......久しぶり。」

「そんな不機嫌な顔するなよ。偶然会ったっていうのに。元気にしてた?」

「まあ。そっちこそもう新しい彼女できたんだ。」