「とにかく、満点でない限りおごらないから。
じゃ、俺早く仕事終えて帰りたいから行くわ。」



先生が教室から出ていったので私も舞と一緒に帰ろうかと思ったら、
いつの間にか教室からいなくなっていた。

ケータイを開くと、舞から玄関にいるとメールが来ている。



「ごめん、待たせて。」



ローファーに履き替えながら舞に謝った。



「いいって。それにそんなに待っていないから。」

「なら良かった。せっかくだから帰りどこか寄っていかない?」

「うん。それだったらいつものドートルに行こ。」



そうして私たちは学校近くのドートルというカフェに入ることにしたのだが、
そこで予想外の事が起きた。



席に座って頼んだ飲み物を飲もうとしたら、
舞がテーブルを乗り出して小声で話してきた。



「ねえねえ、
あの席に座ってるのって吉澤くんじゃない?」



吉澤くんとは私の元彼、吉澤壮介のことだ。