「だから私、先生の言うことは聞けない。そして先生の本当の気持ちを教えてほしい。
前に『好きだから別れてほしい』って言ったけれど、それは私のことが嫌いになったけれど穏便に別れるために嘘ついたの。それとも言葉通り私のことを思って別れたの。」



今なら先生の本当の気持ちを知ることができれば
その中身がどうであれ納得できる気がする。


だからお願い、行動じゃなくて言葉で示してほしい。






「ははは、優佳には参ったわ。」



瀬名先生は乾いた笑い声を出した。



「おまえが好きだからこそ他の奴と幸せになってほしいって思ったのは本当のこと。
だけど、本音ではない。」



本音ではない……？



「カッコつけて、好きな人の幸せは俺の幸せみたいなこと言った。
けれど、これ以上優佳と付き合ったら俺が我慢できなくなるってのが本音。」