「修学旅行の時、どうしてあんなことしたんですか。先生の方から別れを切り出したのに。」



先生は驚いた表情を見せる。

普通に生徒としての進路相談だと思っていたからだろう。

その後、先生は情けなさそうに笑う。



「……そうだよな。ごめん。あれはやりすぎたと思った。
でも、ああでもしないと俺に幻滅しないだろ。」

「……いえ。別れても普通に話しかけてきたり、挙句の果てにキスまでして、本当に心が苦しくなった。なんでそんなことするのって。
だけど、私そんなことされて苦しんでも、先生のこと好きなんです。
この苦しみも恋してるから感じるんです。」



情が覚めていたら、キスされたってこんなにも苦しまない。



「でも、こんな酷い男とは早く見切りをつけた方がいい。絶対将来後悔する。」

「私、先生以外の人と付き合う方が将来後悔する。私が今好きなのは先生なの。先生の言う通りに他の人に目移りしたら、いつか悔やむ。」



いつか嫌いになる日まで私は好きな人を一途に想い続けたい。