「あの…石井君。一緒に写真撮ってもらっても…いいですか?」



その子は照れながら石井君に話しかけた。
恐らく石井君のこと好きなのだろう。



「おう、いいよ。」



石井君は爽やかな笑顔をその子に見せ、一緒に写真を撮る。



「ありがとうございます。あの……石井君がもし良ければ写真送るから……その、連絡先もらっても……いいかな。」



勇気を振り絞る女子生徒を微笑ましくみていると、咲ちゃんが私の肩を叩く。



「3人で写真撮ろうよ。」

「いいよ。」



最終日ということもあり、今まで以上に写真を撮り合う生徒も多い。

瀬名先生も女子生徒のみならず男子生徒にも写真を頼まれてる様子で、一緒に写真に映っている。

この状況なら2ショットも平気かなと思いつつ、
昨日の出来事が頭をよぎり私を邪魔する。

きっと今近付いても先生は迷惑がるだろう。

あのキスだって自分のことを嫌いにさせるためにしたキスであって、愛情のキスではない。

先生だって27の大人だからキス1つくらいどうってことないのだろう。

けれど修学旅行中1枚も先生と写真撮れないのは……。