………何があった?


一瞬夢かと思ったけれど、
口の中には飲んでいないコーヒーの匂いがし、現実だと思い知る。


あまりに突然の出来事で放心状態になる。

要するに、ダメな俺を忘れろってこと…なんだよね?

だからってキス、それも大人のキスまでされるとは思わなかった。

そこまでして他の人を好きにさせようとする先生の意図が知りたい。


そんなことされても余計先生のことが好きになってしまう。

私は口をゆすいでコーヒーの匂いと夜の出来事を消し、眠りについた。





「やばい……。」



朝起きると、目が思いっきり腫れていた。
蒸しタオルで目を温めたけれどまだ腫れが目立っている。
仕方なくメガネでごまかすことにした。



「あ、メガネかけたらほとんど気にならないよ。」

「本当?良かったー。」



舞はそれ以上何も話しかけてこない。

準備をし、トラックに荷物を詰めてもらうためにキャリーケースをロビーに運ぶと瀬名先生がいた。